鎌田クリニック 内科・呼吸器科・アレルギー科
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高血圧症

1.高血圧とは?

高血圧ってなに?

血圧とは、簡単に言うと心臓が血液を全身に送り出す際の血管(動脈)内の圧力のことです。この圧力が基準値以上の状態が続く状態を高血圧といいます。 成人においては収縮期血圧が140mmHg以上または拡張期血圧が90mmHg以上を高血圧としています。 

高血圧はどうして起きるの?

血圧測定 高血圧の原因はほとんどが本態性高血圧といって遺伝素因(高血圧の多い家系)、や環境要因(肥満、塩分の取りすぎ、運動不足など)から生じてくるものです。 またまれに何らかの基礎疾患があって高血圧を起こしてくることがあります(二次性高血圧)が、高血圧全体の2〜3%程度です。基礎疾患としては腎臓疾患や血圧を上昇させるホルモンの異常(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症など)などがあげられます。最近では夜間に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群なども高血圧の原因になることがわかってきています。

血圧が高くても症状がなければ心配ない?

実は血圧がとても高くなければ自覚症状はほとんどありません。しかし、高血圧の状態を長く放置しておくと、血管の動脈硬化を起こし、やがて血管が詰まり脳梗塞や狭心症・心筋梗塞などの重大な合併症をおこします。高血圧の恐ろしさは、この合併症にあるのです。つまり自覚症状がないからといって放っておいていいわけではありません。

高血圧合併症の例として右記に血圧の値による脳梗塞発症率を示します。 (高血圧治療ガイドライン2004、P3) 脳梗塞以外でも、動脈硬化で引き起こされる病気(狭心症、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症、腎障害など)では血圧が高いほど発症率が高い傾向にあります。 脳梗塞発症率グラフ

どのくらいの血圧がいいの?

『高齢なら血圧が高いのがあたりまえ』という昔の誤った考えをいまだに持っていませんか?

降圧目標 血圧は幾つになっても基準値を超えない方が合併症の確率を減らすことができます。一般には左記の高圧目標を維持することが必要です。 * 血圧は家庭での測定が最も重要です。起床前、就寝前1時間以内に血圧を測定します。家庭での血圧を測定することにより最近話題となっている白衣高血圧や仮面高血圧、また最も注意しなければならない早朝高血圧などの存在を明らかにすることができます。

こんな高血圧を聞きますがどういうものですか?

1.白衣高血圧

家庭で血圧を測ると正常なのに、病院や健康診断で血圧を測るとずっと高い値になってしまうものです。意識的あるいは無意識的な精神的緊張によるものですが、普段の血圧は正常であるため病気とは言えず、脳梗塞や心筋梗塞などの合併にもつながらないとされています。ただし白衣高血圧の人は長い目で見ていると、普段の血圧も高くなることが多いとの報告もあり要注意です。 白衣高血圧

 

2.仮面高血圧

白衣高血圧とは逆に診察の時の血圧が家庭での血圧より低い値になってしまうものです。原因としては普段の生活で厳しいストレスにさらされている方(仕事が忙しい人、喫煙家など)で、診察で待っている時に逆にリラックスしていることなどが考えられます。また高血圧で薬を飲んでいる人では、薬の作用が最も効いている時間が偶然外来のため血圧が低く、薬の作用が切れる頃に血圧が高くなることも考えられます。 仮面高血圧

 

3.早朝高血圧

元々血圧は生理的変動でも交感神経が活発に働く早朝に高い傾向があります。早朝高血圧はその生理的な程度を超えて血圧が上昇するものです。脳梗塞や心筋梗塞などは血圧が上昇し、交感神経の活動に伴う血小板の活性化(=血液が固まりやすくなる)を起こす午前中に起こりやすいとされています。このため早朝高血圧にはとても注意が必要です。 早朝高血圧

続きを読む→高血圧の治療について

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