鎌田クリニック 内科・呼吸器科・アレルギー科
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高血圧症
高血圧の治療には薬物療法、食事療法、運動療法の3つがあります。これらを組み合わせしっかりとした降圧療法が望まれます。具体的には高齢者で140/90 mmHg以下、中年・若年者で130/85 mmHg以下が望まれます。
1. 高血圧の薬物療法
血圧の薬には大きく分けて、
- カルシウム拮抗薬
- アンジオテンシン変換酵素阻害剤、 アンジオテンシンU受容体拮抗薬
- 降圧利尿薬
- β遮断薬
- α1遮断薬 の5つがあります。
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それぞれ特徴があり患者さんの病態により選択されます。最近ではこの中でカルシウム拮抗薬やアンジオテンシンU受容体拮抗薬が多く用いられています。
1)カルシウム拮抗薬(ノルバスク、アムロジン、アダラートCRなど)
血管周囲の平滑筋の緊張を緩めることにより血管を拡張させて血圧を下げる効果があります。最も強い降圧作用があります。
2)アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンU受容体拮抗薬(ブロプレス、ニューロタン、ミカルディス、レニベースなど)
血管を収縮し血圧を上昇させるアンジオテンシンUの産生を抑えたり、働きを抑制する効果があります。また心肥大や腎障害などの高血圧による合併症を予防する臓器保護作用もあります。
3)降圧利尿薬(フルイトランなど)
尿量を多くして循環血液量を減らし、また尿中への塩分の排泄を多くすることにより血圧を低下させます。心不全の方などに効果的です。
4)β遮断薬(ケルロング、テノーミンなど)
心臓にある交感神経の受容体(β受容体)の働きを抑え心拍数を低下させます。その結果、心臓からの血液の拍出量を低下させて血圧を下げます。若年 の高血圧で心拍数が多いヒトに効果的です。
5)α1遮断薬(カルデナリンなど)
血管を収縮させる交感神経の働きを抑えること で血圧を低下させます。ストレスの多い方や前立腺 肥大を合併している方に効果的です。 |
2. 高血圧の食事療法
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1)以下に食事療法を含めた生活習慣改善のポイントを要約します。
- 塩分を控える(8g/日未満)
- 野菜・果物を積極的に摂る(血圧を下げる作用があるカリウムを多く摂る)
- 適正体重の維持(BMIで25を越えない)
*BMI(body mass index)=体重(kg)÷身長(m)2
- アルコール制限、禁煙
- 適度の運動 以上の事を心掛けて、それでも下がらない時は薬物療法が必要です。
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2)塩分制限のために食事で具体的に気を付けることは?
- 食事のときに塩やしょうゆ、ソースなどをなるべくかけない(しょうゆやソースは小皿にとって、端に少しつけるだけにする) ※減塩しょうゆや減塩味噌も効果的です。
- 佃煮やふりかけ、漬物・梅干などはなるべく食べない
- 塩分の多いみそ汁・スープは小さめの器で、またラーメン・うどんなどの汁は残す
- かまぼこ・ソーセージなどの加工食品、スナック菓子などは塩分が多いので、なるべく避ける
- 外食・コンビニ弁当などは塩分が多いので気をつける(最近では料理に塩分表示をしている店が多いので参考に)。
当院では管理栄養士による高血圧栄養教室(血圧を下げるための食事療法)も定期的に行っています。待合室に日時を表示しますのでこちらも是非ご参加下さい(受付でお申し込み下さい)。 |
3. 高血圧の運動療法
運動そのものに降圧効果があることに加え、肥満改善などから血圧を低下させることが期待されます。比較的軽度の運動をできれば連日行う事が望まれます。 この中で忙しい日常生活の中で続けられる運動としてはウォーキングが最も現実的と思われます。以下に効果的なウォーキングの方法をご紹介しますので是非頑張ってみて下さい。 尚、運動に際しては脱水予防の為に必ず水分補給を行なう様に心掛して下さい。
有酸素運動のすすめ
- 腕は前後にリズミカルにふる
- 背中を伸ばして胸をはる
- つま先で地面をける
- かかとから着地
- 歩幅は広くしましょう
- 少し汗ばむ程度20〜30分続ける
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